先日、9月17日、18日に行われた東京ゲームショウ2011に行ってきた。
神奈川工科大学のブースを訪れたのだが、そこで素敵なGamificationの事例に出会ったので、今回は是非それを紹介したいと思う。
Mommy Tummy(http://www.kosaka-lab.com/kosaka_laboratory/)
Mommy Tummyは特殊なスーツを着ることで、妊婦になりきり妊婦さんの気持ちを理解しようというものである。
・お腹が膨らむ。
スーツの腹部には時間が経過する度にお湯が流れ込み、お腹の赤ちゃんが育つ様子を実感できる。スーツの目の前には、TV画面にお腹の中の赤ちゃんの成長過程が表示されていた。これは、お腹のふくらみに合わせて表示される。
・お腹の中が動く。
妊娠4か月程度になると、赤ちゃんがお腹の中をけるらしいのだが、このスーツではそれも体感できる。どうやら、中にポンプかモーターが入っているようだ。実際、スーツを着た妊婦さんの感想として「かなり近い」という答えが多いらしいが、私にはわからなかった。
・赤ちゃんの気持ちがわかる。
お腹の中は4キロ近くまでふくらみ、その後軽いジャンプや寝返りを打つなどの運動をした。
運動によりお腹が振動するらしく、それを感知された結果、お腹をけるような動きがあった。
逆にお腹をさすって上げると、その蹴りのような動きは少なくなった。
おかげで、赤ちゃんにストレスをかけないように気をつけなくてはと学ぶことができた。
・ゲーム性
妊娠過程のシミュレーションが終わると、生まれた子の性別と、自分がよいお母さんだったかということをパーセンテージで評価してくれる。ちなみに私は女の子の赤ちゃんが生まれて、お母さんとしての点数は83%だった。
・なぜこれを作ろうと思ったか聞いてみた。
「今、日本は少子高齢化の問題を抱えている。それを解決するには、やはり子供を産む女性が生活しやすい環境が大切である。しかし今の日本は決してそうとは言えない。ただ男性が妊婦の人にやさしくできないのは、優しくするのが面倒だからではなく、妊婦さんの気持ちを理解できないから。でも、もし妊婦さんの気持ちを理解できれば自然と優しい行動をとれるはずで、そうなればもっと妊婦さんにとってよい世の中になると考えたから。」という答えを頂いた。
私の稚拙な文章で伝わりにくいのが申し訳ないのだが、実際に開発を行っている小坂さんからはとてもまじめで熱いお思いを感じた。
ソーシャルメディアの登場により、解決したい問題がある時はすぐにそれに共感してくれる仲間が集まる世の中になってきたと思う。
一方、ゲーミフィケーションは共感できない人でも、ある問題に対して意識させてしまう力を持っていると思う。
TGS2011の帰りに漠然とだが、ソーシャルメディアとゲーミフィケーションがもっと世の中に普及したら、ものすごくいい世の中になる気がしてわくわくが止まらなかった。
*今回扱った事例は、どちらかというとシリアスゲームに近いのかもしれないが、ゲームの持つ「人を引き付ける要素」を活用していることからゲーミフィケーションの事例の一つとして扱わせて頂いた。
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