2011年8月1日月曜日

Gameが世界を変える!?今話題のGamificationという考え方

突然ですがみなさん。
Gamificationという言葉をご存知でしょうか?



ゲームって何だかよくわからないけど、やり始めるとつい夢中になって中々やめられなくなってしまうことってありませんか?
中毒になってしまう人もいるゲーム。
そこには人を夢中にさせるための仕掛けがたくさん仕組まれています。
そんな人を惹きつけるのがとっても上手なゲームに組み込まれた要素をなんとかして取り出し、ゲーム以外のところで応用できないかという考えがGamificationです。


ちなみに、このGamificationという言葉はBunchballというWebサイト向けゲームプラットフォームを提供している企業で以下のように定義されています。



Gamification:「参加をうながすために、ゲームの力をサイト、サービス、コミュニティ、コンテンツ、キャンペーンに統合すること。」


Gamificationについて、おおよそのイメージはつかめたでしょうか?

よくわからん!ってかたも多いと思うのでもう少しイメージをつかんでもらうため、「ゲームにある人々を夢中にするしかけとは一体何なのか?」について説明したいと思います。
でも、それについてはジェーン・マグニガルという方がとてもわかりやすく説明してくれているので、それを紹介。




マグニガルの主張するゲームに人が夢中になってしまう4つの要素

・問題にすぐ取り組みたい、成功の確率は高い、と思わせる「楽観性」

・ライバルたちと競い合い、協力し合うという「ソーシャル性」

・やればやるほど、能力やレベルが上がる「至福の生産性」

・壮大なスケールの物語に自身が直面していると感じさせる「ストーリー性」




個人的にこのマグニガルさんのプレゼンを見て、面白いと感じたのは、
「ゲーマーは21歳までに約10,000時間ゲームをプレーするが、その時間は小学校から高校までの教育を受ける際の授業時間の総時間に相当し、これはゲーマーが二つの教育を受けている」
という捉え方です。
10,000時間と言えばプレゼンにもあるように、ある一つの分野で天才になるために必要とされている時間量です。ちなみに、この10,000時間は毎日3時間を10年繰り返すと達成できるそうです。
そのように考えると、ゲームは様々な分野の天才を大量に生み出す最高の教育ツールと捉えられるかもしれません。


マグニガルさんは、実際に4つの要素を活かし世界銀行協力の元、EVOKEというゲームを開発しました。EVOKEのプレイヤーは2020年に起こるだろうとされている様々な社会問題(食料問題・エネルギー問題など)に直面していきます。このオンラインゲームでは問題解決のための様々なアイディアがプレイヤーから応募され、それを元に実際に途上国の社会問題を解決しようというプロジェクトが実際に20以上立ち上がったようです。


マグニガルさんのGamificationはオンラインゲームそのものの力、バーチャルな空間の持つ力を見事に活かしたGamificationと言えるでしょう。

では、実際の生活でより身近なところで応用できるバーチャルでないリアルなGamificationとはどんなものがあるでしょうか?
それは、セス・プリーバッチが見事に説明してくれているので、それを紹介。



セス・プリーバッチの主張する7つのゲームダイナミックス(うち4つ)

・アポイント・ダイナミックス

・影響力とステータス

・進歩ダイナミックス

・共同的発見

「アポイント・ダイナミックス」を上手く活用しているのはグルーポンでしょう。締め切りと申し込み人数が制限を超えないと契約が成立しないという状況から、ユーザーに行動を促しています。

「影響力とステータス」の事例にもある、テストの受験回数、授業の出席回数に応じ、成績が上がっていくというシステムを、大学教育で実践したところ生徒の成績が良くなったという例は、マグニガルの主張する「至福の生産性」に近いものを感じます。

「進歩ダイナミックス」は、ポイントカードの応用版と考えておけばいいと思います。フォースクエアのチェックイン回数に応じ、バッチがもらえるというのをクーポンや景品に置き換える新しいサービスが考えられますね。(既にあったら申し訳ありません。)

「共同的発見」これは、ツイッターが個人の趣味嗜好を反映したtribe(種族)を形成していくソーシャルメディアであることからも、とても大切な意味を持っていると思います。どのように有効活用できるのかまだ、僕自身わかっていませんがとても大切なことのような気がします。

残り3つのダイナミックスは、自分なりに考えてもよくわかりませんでした。
もしわかるよって方がいたらぜひ教えて下さい(笑)





facebookの登場により、ネットでの言動とリアルでの言動が同じになり、「ネットとリアルの境目が崩壊した。」なんてことが言われています。
そして、facebookを超えるような新しい次のイノベーションはもう起きないのでは?という声もよく聞きます。
しかし、スマートフォンの登場により、位置サービスを組み込んだアプリがホットであること、AR(拡張現実)の進歩、ゲーミフィケーションという考え方が注目されているというこれらの背景を考えると、次のイノベーションも別に遠い未来の話ではない気もします。
facebookがソーシャルの力によりネットとリアルの言動の壁をとり払ったように、次のイノベーションでは、バーチャルの空間とリアルの空間の壁を取り払う、そんなイノベーションがおきると思います。



"Any sufficiently advanced technology is indistinguishable from magic (優れたテクノロジーは魔法と区別がつかない)." by Arthur C. Clarke
「2001年宇宙の旅」の著者でも知られるArthur C. Clarke の言葉で今日は占めたいと思います。


感想は@daigendaまで、よろしくお願いします。





【参考記事】

なぜゲーミフィケーション有効なのか?
進化するゲーミフィケーション
【GDC2011】ゲーミフィケーション、明日から使える60のハウツー
マーケターのための「ゲーミフィケーション(gamification)」まとめ。
Gamification:なぜいまゲーム化なのか

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